第1話

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電車で実家に戻る。 久しぶりの実家。 通過点の駅で――。 乗り込んできたのは――。 目を見張った。 大好きだった男の子。 中峰 由宇(なかみね ゆう)君だった――。 アイスを口に加えながら席を探している。 私は咄嗟に顔をそらした。 由宇君の友達も一緒に乗り込んだみたいだった。 心臓が――。 この激しい鼓動が由宇君にも聞こえないだろうかと慌てふためいていた。 同じ駅で降りた。 目の前を行く由宇君を見つめながら歩いた。 声をかけたかった。 でも――自信無かった。 改札口で由宇君を見失った。 会えるなんて――。 こんなチャンス滅多に無いのに。 何もできなかった――。 悔しかった。 自分を責めた。
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