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「じーじぃ! なにか お話して~! 暇だよー。」 そう言って、無邪気な笑顔で少女は、ソファーに座っている老人に駆け寄った。 老人は少し笑いながら、駆け寄った少女を抱き締め、 そして、膝の上に乗せた。 「そうじゃなー…。 リリィは、もう10歳だったな? よし。 特別にあの話をしてやろう。 この話をして、じぃじの伝えたい事を理解することが出来たら、もう 大人じゃ。」 リリィと呼ばれた少女は、老人の膝の上で胸を張り 「じゃ、私は、大人ね♪」 そういって、花のように笑った。 まだ、春には早すぎる季節ではあるが、その笑顔に春の訪れを感じさせた。 老人は少女の笑顔に、顔を綻ばせながら、少し遠くを見つめた。 「フォッフォッフォッ。 まぁ、聞いてみろ。 むかし、昔の話じゃ―――
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