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人類は、不思議な能力を開花させた。 その能力には色々な種類があり、その人の個性に反映される。 空を飛んだり、火を操ったり。 よくあるファンタジーの世界のような。 その能力は通称「BOS」 今回は、その能力を持って産まれることの出来なかった子の話をしよう。 何万、何億とあるファンタジーの話の中から、埃にまみれた小さな本を手にとって。 まぁ、“持って産まれることの出来なかった”というのは……… うむ……………… 」 そう言って、じーじぃと呼ばれた老人は少し目をつぶり、何かを思い出している様だった。 少女は、そんな老人を見て不思議そうだったが、何も話さなかった。 幼いながらも、何かを感じ取ったのかもしれない。 老人は、自分が少し喋りすぎた事と、少女の視線に気が付き、苦笑いをしながら 口を開いた。 「おっと、口が滑ってしまったな。 これからの話の伏線…というとこにしよう。 では、話を続けよう。 能力のないやつは、“出来損ない”“ 不良品”と言われ、偏見の目で見られ、差別されたのじゃ。 その、差別的な意識は人々の間で強く根を這っていた。 能力がない子が生まれたら、親に見棄てられるか、運が悪ければ親に殺される程に。 では、話そうか。 そんな世界に産まれた小さいけど、壮大な物語を。
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