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「昨日はすいませんでした。誰かに帰ると告げたつもりだったんですけど、、意識が朦朧としていたみたいで。すいません。まだお腹か胃がキリキリ傷んで、、今日もお休みさせてください。有休でお願いします。」 普段より、少し早く目を覚ました美雪は、顔を洗うとすぐ上司に電話をかけた。昨日の事は思い出したくもないみっともない事だと思っていた。だから、昨日の事を挽回する為に少しでも早く会社に行こうと決めていた。 だけど、むくんだひどい顔を見た瞬間、「ダメだ。」と、思った。 昨日、美雪は誰にも告げずに会社を出てきた。つまりサボった。でも、誰からも心配するようなメールも電話も、ましてや怒られるような事もなく一日が過ぎていた。正直な所、居ても居なくてもどっちでもいい、そんな存在なのだろう。美雪は、昨日の事で会社の中の自分の立ち位置をなんだか初めて自覚したような気がした。 慌てて電話した上司の対応も、非常に穏やかなものだった。昨日一日会議や商談で外に出ていた上司は、美雪がいなくなった事さえ知らなかったらしい。「お大事に。」と、添えられた言葉も、あくまで社交辞令の挨拶にしか思えず、電話を切った後、なんだかとてつもなく虚しい気分になって、もう一度ベッドに潜り込みそのまま眠ってしまった。 次に目が覚めた時、部屋の窓から指す日光の鋭さで美雪はお昼を過ぎている事が感覚的に分かった。 ケータイを触ると時刻は12:33。そしてそこには、寝ている間に届いていた新着メールのマーク。「仕事の事か?」と、ちょっとした期待と不安が入り混じりながら、美雪はパネルをタッチした。 メールは、園田健から。 「休んでるって聞いたけど、大丈夫か?」
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