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そのメールを見た瞬間、思わず心の中で叫んでいた。 ―お前に言われたくないし!― そして、大きなため息をついた後、ケータイをベッドに投げ捨て、洗面台に向かった。 朝と変わらず、顔はむくんだまま。なんなら、更に寝たことで朝よりむくみはひどくなっている。 「ど~しよ。」 呆れたように、天井を見上げた美雪は、昨日の事を思い出していた。 あの時、陽子に言われた言葉で美雪の中で止めていた栓が確実に抜けてしまった。人前で泣くこともましてや初対面の人を前に泣くことなんて美雪には考えられない事だった。 どれくらい泣いていただろう。 そして、どれくらいの事を陽子に話したのだろう。 正直思い出せなかった。 結局、長い時間をかけて陽子に慰めてもらい、そして話を聞いてもらい、終電に近い時刻の電車にようやく乗って帰って来た。 あの時、心に貯めている思いを開放させる事がどんなに爽快感のある事なのかを知った。 だけど、そんなスッキリは一瞬で、目覚めれば暗い気持ちに心は支配されてしまう。そして、健からのメールを見れば、また昨日と同じような怒りが身体を覆い始める。 もう一度、鏡中にある顔を見つめると、ふと昨日陽子が言っていた言葉が頭に浮かんだ。 ―ねぇ、みーちゃん、人はどうして怒るんだろうね?―
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