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「そんなの!あなたには関係ないじゃないですか!私は両親の事相談してきてるのに、私や私のファンの人との交友関係にまで口出すんですか?」
「ごめんなさいね。私が言いすぎたわ。」
「ふん!」と、腕組をしたきららは、あからさまに怒っているポーズを見せる。
「一つだけ聞きたいんだけど、どうして自分がアイドルになる星の下に産まれたって気がついたのかしら。」
「どうしてあなたにそんな事教えなきゃいけないの?」
「別に答えたくないなら、いいんだけど。きららちゃんは、ここに何をしに来たんでしたっけ。」
「両親の相談よ。」
「アイドルになるあなたを理解してもらえるようになるためよね?違うかな?」
「そうですけど。」
「そうよね。だから、私はあなたに関してもっと詳しく知りたいの。特にアイドルの事については沢山教えてほしいだけなのよ。どうかしら?変かな、私。」
「そこまで言うなら、教えてあげてもいいけど、質問なんでしたっけ。」
「どうして自分がアイドルになる星の下に産まれたって気がついたのかしら。」
「あぁ」と、天井を見上げたきらら。少し考えた様子でこう言った。
「セミナー行ってからかな?、そこでいろいろワークしていく中で、気がついたんです。」
「セミナー。それって、どんな?」
「『三十歳から夢を叶える』っていうタイトルだったかな?、結構有名な先生がやってたんですけど。丁度その頃、『このままでいいのかな?』って、思ってたから、勇気出して受けに行ったんです。」
「そこで、どんな事を教えてもらったの?」
「心に描いた事は必ず叶うと教えてもらいました。それで、小さな頃からなりたかったはずなのに諦めた夢は何かを探るワークがあったんですけど、その時に思い出したんです。アイドルになりたかった事。その話を先生にしたら、『なれるよ。』って言われて、引き寄せの法則も教えてもらいました。知ってますか?、引き寄せの法則。だから、私がアイドルになるって決めたら、叶うんですよ。それなのに、うちの両親ったら、全然そこら辺の事分かってなくて、『アイドルなんて馬鹿げてる。』とか、『早く彼氏でも作れよ。』とか、言ってくるんですよ。デビューしたら、いくらでも彼氏くらい連れてきますよ!ね?ね??」
何度も「ね?」と、同意を求めるきららに、陽子はゆっくり瞬きを一つした。
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