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「きららちゃんの言うことは、半分当たってて、半分間違ってると思うのよね、私。それはご家族の方も一緒で、半分当たってて、半分間違ってる。のよね。」
「どういう意味ですか?」
「きららちゃん、今日、何しましたか?」
「え?、別に、、何も。今日はここに二時に来るって事が決まってたから、あの、、、その、、」
「じゃぁ、昨日は?、昨日は、何をしましたか?」
「昨日は朝から工場に行って働いてました。すっごくまた嫌味な事を工場長に言われて、腹が立って、家に帰って親と喧嘩して、寝ました。」
「そう。じゃぁ、この一週間アイドルを目指すにあたって、したことを教えてください。」
「ブログ書いてますって、さっきも言ったじゃないですか。ブログ書いてるって。」
「それだけですか?」
「それだけじゃいけないですか?」
思わず前のめりになったきららは、身体のバランスを取ろうとした。その時、机についた手の音が「バンっ」と大きな音で響き渡る。思いがけない大音にびっくりしたきららは、ちょっと恐縮した顔をした。
「それだけじゃいけないって、言ってるわけじゃないわ。あなたがそれでいいというなら、それでいいのよ。ただ、実際に夢を叶えたタイプの人とちょっと違うなって思うの、私。自分がアイドルを目指した事はないけど、アイドルやミュージシャンを目指して相談に来た人は何人かいるわ。その中で夢をきちんと叶えた人は、いつも四六時中その事ばかり考えていたの。歌や踊りのレベルをあげたり、楽曲を作ったり、ライブをしたり、オーディションを受けに行ったり、芸能界の事を調べたり、テレビ番組やラジオ番組調べたり、気が付くと何かしてるのよね。きららちゃんは?」
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