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「まぁね~、親はそういうかもね。」 相槌程度のつもりで言った陽子の一言で、きららの顔つきが瞬時に変わる。 「あなたは親の味方なんですか?」 「そんな事はないわ。ただの一般論よ。話遮ってごめんね、じゃぁ、続けて。」 「続けてって言われても、別に話す事はこれだけです。」 思わず「え?」と、陽子は拍子抜けした声をだした。それが、彼女には気にくわなかったのだろう。 「あなたまで!、あなたまで!、私を馬鹿にするんですか?私、あなたに会うために一ヶ月も待ったのに!」と、突然、きららは大きな叫び声をあげた。何に腹を立てたのかさっぱり分からない有美は、突然の声のボリュームにきょとんとしていたが、陽子は冷静だった。 「馬鹿になんてしてないわ。勘違いしないで。」 「でも今、馬鹿にしたような言い方したわ。」 「してないわ。でも、あなたに勘違いさせるような言動をしてしまった事は、謝るわ。せっかく、一ヶ月も待って来てくれたんだもの。仲良くカウセリングして行きたいなって、私は思うんだけど、どうかな?」 「私だってそうですよ。ずっと待ってたんですから。」 「じゃぁ、仲直りの握手から。」と、手を差し出す。 きららは少し悩んだ顔をした後で「はい。」と、ゆっくり手を差し出した。 「白くて柔くて、可愛い手」と、言いながら、陽子がギュッと握ると、「そうですかぁぁ~?」と、きららの表情が一変して明るくなった。 「確かに、私よくそうやって褒められるんです。『ぽっちゃりしてて可愛いね。』とか、『手も綺麗だね。』とか。」 「そう、確かに可愛らしい手だと思うわ。ねぇ、きららちゃん。せっかくだから、隣に座って話を聞かせてもらっていいかしら?」 「別に私は構いませんが。」 有美と陽子は席を入れ替わり、きららの隣に陽子が来る形でカウンセリングは再開した。
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