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「お花畑のきらら姫」と題されたブログはその名のとおり、お花畑を印象づけるデザインに文字がピンクでキラキラした絵文字が多数使われている。いくつかの記事を見させてもらえる了承を得た陽子は、最近の記事をピックアップしながら見ていったが、たまに、口元や耳だけのパーツだけをアップした写真はあるものの、きららの顔が写っている写真はどこにも出てこない。
更に、プロフィールの年齢には二五歳と書いてある。
数分の沈黙を経て、「どうして二五歳にしてるのかな、私のもらったメールには三二歳って書いてあったけど。」と、ようやくきららに質問をした。
彼女は喜んだ顔でこう答える。
「だって、アイドルってみんなサバ読んでるんでしょ?、私が今からデビューするとして、三十代って言うのと、二十代って言うのじゃ全然響き違うじゃないですか。当たり前ですよ。」
「そうなんだぁ。写真を見せないのは?」
「なんかの本で読んだのですけど、男性って想像を掻き立ててあげた方がいいみたいな事、書いてあったんですよ。いずれ出そうかな。とは思うけど、それまではお楽しみです。」
「そっかぁ。両親とかは、こうやってブログとか書いてアイドルに向けてやってる努力知ってるのかしら?」
「言っても意味ないです。あんな人たち。私に才能があるなんて事すら気がついていないんだから!」
「そっかぁ。じゃぁオーディションとかは、受けたりしてるの?」と、神妙な面持ちで問いた陽子と対照的に、「オーディション?、まさかぁ。」と、きららは馬鹿にしたような口調で言った。
「オーディション受けて、合格してもほとんどの人はデビュー出来ないって話ですよ。だから、私は受けに行ったりしないですよ。」
「じゃぁどうするの?」
更に神妙な顔つきになった陽子に、きららはどっしりと構えた目つきで言い放つ。
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