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「じゃぁ、、やってみますけど、変になっても怒らないでくださいね。」
「大丈夫、大丈夫!全部許しちゃう!だって、ここは、許し屋だよ~」と、谷の声に周囲はどっと笑った。
きららはそのまま給湯室に入って行き、他のみんなはテーブルを囲んで談笑が続いた。
きららの存在をすっかり忘れてしまうくらい、談笑に夢中になっていたが、「できましたぁ」と、笑顔で戻ってきたきららの様子にみんな驚いた。
きららが今まで見せたこともないような満足げな笑顔で、生け変えた花を抱えて戻ってきてからだ。
「うわ~、見事じゃないか。綺麗に出来ているよ。」
「本当ですか?、ありがとうございます。でも、この花瓶に全部入らなかったから、幾つかに小分けしちゃって、、そっちも持ってきますね。」
嬉しそうにきららは給湯室に戻り、合計五つに生け分けたお花がテーブルの上に並んだ。
「本当は、そのまま一つで生けたかったんですけど、大きさの合う花瓶がなかったから、分けちゃったんですけど、、良かったですか??」
「全然良いよ!全然良い!すごい、きららちゃん。本当に素敵よ。」
「私、バンダは玄関先に飾りたいなって思って。で、バンダを目立たせたいから、出来るだけシンプルにしようと思って、グリーンとシンプルに、でもボリュームがしっかり出るように合わせてみたんですけど。後は、ここのテーブルとか陽子さんのお部屋とかトイレとかにちょっと置いてもらいたいなって思って、ブルースターとかの小花は、全部小さい花瓶っていうか、コップに生けちゃったんですけど、、大丈夫ですか?」
「いいよ、いいよ。すごくオシャレになってる。すごいわぁ。コップを花瓶にしちゃうのもアイディアよね。」
「ごめんなさい、色々花瓶あったのに、なんか今日のお花にはいまいちな気がして、、勝手に使っちゃったんですけど。」
申し訳なさそうに説明するきららの言葉を谷が遮る。
「君、それこそ、これを職業にしたらいいじゃないか。花屋だよ、花屋。」
「でも私、好きって言っても、趣味の範囲ですし、素人ですから、、、。」
「いや、君の知識は既に素人じゃない事に気がついた方がいいよ、なぁ、みんなもそう思うよなぁ。」
谷の言葉に、みんな頷く。
「ねぇ、きららちゃん。この間、夢を叶えている人たちについて話した事覚えてる?」
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