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出来上がった花をみんなに見せると、きららはそれをまたケータイで撮り、直様ブログにアップし始めた。
「きららさん、早いんだねぇ、ブログ書くの。」
すさまじいスピードでブログを書いていくきららを驚くように眺めながら、佳菜子は呟く。
「うん、もうかれこれ二年も書いてたら、なんか早くなったかも。佳菜子ちゃんもやってるうちに早くなるって。」
「そうかなぁぁ。」と、全く文字が進まない自分のブログ編集を見つめながら、空しそうに呟き、酒を口に含む。しばらくして、また、面倒くさそうにブログと向き合おうとすると、「ねぇねぇ、蜜香ちゃん。」美雪が声をかけてきた。
「はい?」
「あの、、私もみんなみたいに、佳菜子ちゃんって呼んでも良い?」
申し訳なさそうな雰囲気で言う美雪を佳菜子は少しからかったように笑い、「もちろんですよ!」と言う。
そして付け加えるように、「そしたら、私も、陽子さんが呼んでるみたいに、みーちゃんって呼んでいいですか?」と、美雪にとっては、思いがけない提案が佳菜子の口から飛び出した。
美雪が驚いているそこに、ブログに集中していたはずのきららが大きな声を出す。
「私も!」と。
「そんなの、良いに決まってるじゃん!呼んで!呼んで!」
美雪が嬉しそうに言うと、今度はきららが申し訳なさそうな顔をしながら言う。
「そしたら、私も。『さん』付けじゃなくて、呼び捨てか、『ちゃん』付けで呼ばれたいんだ。『きららさん』って、言われると年上っぽい感じがして、なんか気になるから。」
美雪と佳菜子は目を合わせてニタっと笑った。
そして二人で、目を合わせ、呼吸のタイミングを合わせると、こう呼びかけた。
「きららちゃん!」
エピソードⅡ
西園寺きららの場合
おわり
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