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結局、押しの強い則子の言葉に従うように、その日二人は鎌倉のホテルに泊まる事にした。外れた場所に置きっぱなしになっていた車を拾い、すっかり暗くなってしまった海岸沿いを走り抜け、宿に到着した。
則子は久しぶりの休日気分で浮かれていたが、有美は、悪いことをしているような気分が抜けないままでいた。すっかり楽しかったはずの江ノ島の記憶がどんどん薄れていく。こんなにも家に帰りたくないなんて、何があったのだろうと、そんな妄想ばかりが有美の頭の中を支配した。
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