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そう言った俺は、あの茶封筒を取り出してベッドの上に置いた。
もちろん彼女の手が届く範囲だ。
俺の言葉に彼女は、一瞬動揺した顔を見せたもののその封筒を手にとって中身を取り出す。
「そこに写ってる子、見覚えあるだろ? ……麻衣ちゃんだよな?」
「っ」
「ここに入院しているキミが、何故外に居るんだ? いや外出や外泊の許可ぐらい出るかもしれない。だけど彼はキミの外出を知らないんじゃないのか?」
俺は言葉を1つ1つ選びながら、同時にこの薄暗い室内で、必死に彼女の様子を窺う。
一瞬たりとも顔色が変わるのを見逃さないためだ。
「はっきり言おうか? そこに写ってる連中に、理紗ちゃんをレイプするように頼んだんじゃないのか?」
俺の確信とも取れる言葉に、麻衣ちゃんの唇が微かに動いた。
……悔しそうに唇を噛み締めている。
その間、麻衣ちゃんからは何の返答はない。
だけど写真を持つ手がプルプルと震えている。
まるで痙攣でも起こしているかのようだ。
「それともう1つ」
さっきの事実は、まだ前置きに過ぎなかった。
俺が本当に確かめたかった新事実は次のことだった。
どうしても絶対に確かめなければならかったのだ。
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