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年明け早々、ここ数日間依頼していたことを俺は探偵から聞いていた。
俺は理香と別れてから色々考えて……悩んだりもして、やり残したことを最後にやってから
……消えようと思ったんだ。
クリスマスに理香に会いに行ったのは、その真実を確かめるためだった。
案の定、理香は俺を疑っていた。
カマをかけたのは俺の方だったけど……
“麻衣ちゃんが怪しい” と雇った探偵から聞いた俺は、あの子のことを調べていた。
病院を抜け出していたこと。
異常にブラコンなこと。
そして、度々公衆電話でどこかに電話をかけていること。
「では、私はこれで失礼します」
「ありがとうございます……」
カランコランと昔風の鐘を鳴らしながら探偵が帰る音を耳に通して、俺はその探偵から受け取った写真に釘付けになっていた。
そこに写ってる1人の女の子。
この子が、“麻衣ちゃんか?” と思ってしまう程……写真の中の女の子はギャルっぽい感じだった。
金色に脱色された髪の色。
それにギャルメーク。
迷彩柄のフレームのサングラス。
派手な服に、ブーツ。
そんな女の子が1人、ガラの悪い連中と会っている写真だった。
病院での病弱な麻衣ちゃんの様子は、少しも感じさせない……。
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