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それは決して許されることではないだろう!
昔の俺ならそんなこともあり……後ろめたさからか、出来るなら目を瞑ってやりたいと思ったかもしれない。
だけどそんなことをしたって、本当にあの子は救われるのか?
俺は……ちゃんと傍で見守っていてやりたい。
自分は幸せにならなくていいから、あの子の笑顔を取り戻してやりたい。
偽りの笑顔なんかじゃなく、心の底からちゃんと笑顔にさせてあげたいんだよ。
そのために、俺がしなければならないことは1つだけだった。
探偵が調査結果として残していった写真と資料を封筒に終うと、俺は伝票を持って席を立った。
はっきりいって、考えはまだまとまっていない。
この足が向かう先へ行くことも、少し躊躇っているのも確かだ。
……俺が目を瞑ればみんなが幸せだ。
そんなことは分かっているはずなのに、どうしても明らかにしたい真実があった。
「ふぅ、寒いな、」
まだまだ、寒い日が続いている。
冬の風は容赦ない。
露出している肌が蕁麻疹でも起こしそうな程に寒くてたまらない。
だけど俺は、冬が大好きだ。
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