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(ふん……馬鹿馬鹿しい)
朝食の代わりに食堂で受け取ったコーヒーを片手にアリーナの戸を開くと、試合の予定時間より30分以上も早いと言うのに早くも観客席はクラスの女子共で埋まっていた
全ての女子から注がれる憐れみと好奇が混ざった視線にうんざりする
世界で二人しかいないISを動かせる男達の力量が見れる?いきなりイギリスの代表候補生と対立して可哀想?…違う
「あら、逃げもせずに来たんですのね。極東の野蛮な雄猿ですがその度胸だけは褒めて差し上げますわ」
「昨日と変わらずよく回る口だ。イギリスのIS国家代表候補生は選ばれる時に口先だけは達者かテストでもされるのか」
「んなっ…!!」
相も変わらず高圧的な小娘をさっさと黙らせると、中央にいる千冬女史へと歩み寄る
「組合わせは?」
「織斑のISがまだ届かん。先に貴様とオルコットだな」
「…………長引かせろと?」
「不要だ。あんな尻の青い小娘なぞ、さっさと叩き潰せ」
「あいよ……………っと」
迫ってきた出席簿アタックを受け止める。どうやら敬語が必要らしいな
「貴様もだ、御津。学内では織斑先生と呼べ、それと敬語を忘れるな」
「じゃあ学外では千冬とでも呼んでやればいいのかね?」
「ふん、好きにしろ。学内でのルールさえ守るなら私は何も言わん」
「了解致しました、織斑教官殿っと」
追撃で迫る出席簿を難なく躱し、山田女史がいるピットへと足を向ける
さてさて、少しは歯応えがあればいいんだが…
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