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「………………」
声がした上を確認…
「…………」
目をよく擦ってからもう一度確認…
雲1つ無い青い空、さんさんと僕らを暖かく照らす太陽、そしてなんか変なパワードスーツっぽい物を身に纏って浮いている緑色の髪の女性
「………………………帰るか」
「ちょっ、待ちなさい!?」
しばしの逡巡の後、関わり合いにならない方がベストだと結論を出すと踵を返して歩き出す
何か言ってるみたいだが無視だ無視、あんな御大層なモンに乗ってる奴にろくな奴はいない
「って言う事で…あばよ、とっつぁ…っ!?」
三十六計逃げるに如かず、そのまま茂みに飛び込もうとした瞬間…何かを感じた身体が本能的に横に跳ぶ
横に跳んだ一瞬後に、俺がいた部分を白刃が閃いた
「ほう…これを躱すとは、なかなかの手練れだな」
「いきなり実力行使は感心出来ないな
しかも本物とか、ここは治外法権ですかコノヤロー」
白刃を迸らせた持ち主…黒髪に黒いスーツのキツめ女性を呆れた顔で見返す
戦い慣れてる俺には一目で分かる…アイツの剣は真剣だ
「やれやれ…侵入して来たクセにそんな事も知らないとは…
ここ『IS学園』は、いかなる国にも属さない独立国のような物だ…まさに治外法権さ」
「あいえす…学園…?」
記憶にまったく存在しない名前に、思わず眉を寄せ、鸚鵡返しに繰り返す
(あいえす…?あいえすってなんだ…?
この世界特有の単語か…?)
知らない単語、知らないパワードスーツ…知らないだらけの思考回路が、何も結論を出せないまま狂ったように回り続ける
「大人しく我々と共に来て貰おう。
さまざまな理由を含めた上で、貴様には適切な処分を下す」
「………………わかった」
少し考えた後、ゆっくりと頷く
狂い続ける脳がなんとか吐き出した答えはyes…こちらに手札が無い分不利、今は従うべきだ
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