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「うおっ!?」
「っ、どうしたっ!?」
「わかりませんっ!!
いきなりっ…」
「いってぇ…」
振動で椅子から転がり落ちて打った後頭部を擦りながら、訝しげな表情で慌ただしく動く二人を眺める
向こうも意外な出来事だったんだろう、泡を食ったように通信端末を高速で叩いて怒声を飛ばしている
『あー、テステス…もしもぉぉし?』
「「っ!?」」
「あぁ…?」
『どうも~、侵入者でぇぇす
現在この学園のセキュリティは私が掌握させてもらいました~、残念』
室内に備え付けられたスピーカーからするおちょくるような声に、イラっと眉を寄せる
「貴様は誰だ、なにが目的だ…!!」
『まぁそんな焦んなよ…アタシはオータム、とある組織のエージェントさ』
「オータム…ねぇ…」
『アタシ達の目的は1つだけ…織斑千冬、アンタの身柄をいただきに来た』
「っ!!」
オータムの言葉に、先ほどまで俺を尋問していた女性の眉が跳ね上がる…彼女は織斑千冬という名前らしい
『正確には織斑千冬、アンタの身体データとDNAが…だけどな』
(おい…)
「な、なんです――」
(しっ、声が大きい…!!)
書記を務めていた緑色の髪の女性に小さな声で話し掛け、大声を上げようとした女性の口を塞ぐ
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