はじめてのおつかい(かみさまへん)

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(………思ったより少し速い、か) 背部に備え付けられたスラスターを吹かしながら迫るオータムの8本の足を待ち構えながら、冷静に分析を続ける (最初の4本はブラフで俺の足を止めさせ、次の2本で跳ばしてから本命の2本で串刺し…えげつないねぇ) 「おら、はらわたブチ撒けなァァァ!!」 「悪いな、断らせてもらうわ」 そう言って瞬時に腰を据えると、右足を大きく踏み込み両サイドから来る第一陣より1歩前へ詰める そして第二陣の4本に軽く拳を当てて軌道を反らし、本命の2本より速く崩拳をボディにお見舞いしてやる 「ぐっ…!?」 「しばらく寝てなっ!!」 強烈な崩拳に前屈みになったところを見逃さず、頭部を掴んで床へ叩き付ける (手応えまぁまぁ…微妙だが少なくとも、少しの間くらいは動きが鈍るだろ) 地面に顔を埋めたままのオータムから眼を離し、机に置かれたマイクを手に取る 「おい、俺だ」 『無事か…!?』 「ん、まぁ… とりあえず人手を寄越してくれ、武装しててくれれば尚良い」 『わかった、応援と一緒に私もそちらへ行く…くれぐれも無理はするな』 「ん~…そりゃ無理っぽいな」 ぽりぽりと頬を掻きながら振り返る そこには、ほば無傷の蜘蛛が立っていた
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