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「スコール・ミューゼルねぇ……」
「あら、偽名だって疑ってるの?」
「もちろん。本名割れれば身元も割れたも同然だしな」
名前ってのはとことん厄介な代物だ…それだけでも判明してしまえば、個人情報から所属組織、さらには過去の経歴etc.…と、尻の毛も残らないくらいに自分が持つ情報をもぎ取られてしまう
ましてやこんな学園を襲撃するような奴だ、十中八九偽名だろう
「ふふ…貴方の言う通り、偽名というかコードネームだけど」
「コードネーム……」
「貴方の名前も偽名?」
「まさか、やましい事してないのに偽名なんて名乗るかっての」
ミステリアスな笑みを浮かべながら興味深そうに訊いてくるスコールに、鼻で笑いながらバッサリと一言で切り捨てる
正直こんな面倒事に首突っ込むのも御免だ、さっさと終わらせたい
「ふーん……貴方、同業者ね?」
「だと思うか…?」
「ええ、貴方から私達と同じ匂いがするもの……血と火薬と叫び声の飛び交う戦場の…」
「………………………………」
「貴方、私達と一緒に来ない?」
「なに……?」
俺をじっくりと見定めていたスコールから飛び出した言葉に、無意識に眉をひそめて聞き返す
「貴方、男でしょ?
ISは女しか扱えない…だから、ISを使う唯一の男である貴方はこの学園に拘束されるわ」
「…だから?」
「もし貴方が望むなら、私達と一緒に来なさい…私達の組織、亡国企業(ファントムタスク)は貴方を歓迎するわよ」
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