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「休みだぁ…?」
第六感が警告をガンガン鳴らすのも構わず、怪訝な表情のままジジイが差し出したカードを受け取ると、それをしげしげと観察する
金色のカードをよく見ると、『special』と書かれている…それ以外には特に怪しい点は無い
「オヌシもしばらく缶詰じゃったからのう…この前くじ引きで当たった旅行券をやろうと思ったんじゃよ」
「旅行ぉ…?
ならこれ、誰主催だよ…」
「ほれ、あそこの店をやってる関帝聖君じゃよ」
「………」
その言葉に、なんとも言えない表情のまま閉口してしまう
関帝聖君…俗に言う三國志の関羽は商売の神様として、神界最大の物販会社を取りまとめるまさに神界の財布だ。
だが同時に、アイツは神界でも数少ないジジイの同好の士としても有名だからだ
「やめておけ、白夜…また数十年世界をさ迷う事になるぞ」
「否、これは上司命令じゃ。
行ってしばらく羽を伸ばして来い」
やれやれ…前門の天照、後門のジジイか
仕方ないな…
「わかったわかった…そんじゃ、少しの間だけゆっくりさせて貰おうかね」
「………」
「よく考えてみろ、天照。
このジジイともう一人の変態が計画したプランだぞ…断ったところで何らかにこじつけて行かせるに決まってるだろう」
それに、俺以外の奴がこの変態タッグに絡まれるのは憐れ過ぎるしな…
慣れてる俺が処理しないと神界の仕事処理速度に支障が来かねん
「んでジジイ…旅行ってどこよ…?
ゆっくりまったり熱海や伊豆に温泉旅行、なんて安牌なモンにはして無いんだろう…どうせ」
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