†影の御遣い†

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この時,董卓と呂布を除くメンバーは一斉に兼胤を見た。 『いや!待つんだ…確かに全員の名前を知っているのは不自然かも知れないが決してスパイ出はないぞ。』 スパイの疑いをかけられる前に潔白を証明しようと話すも,逆に不信感を強めてしまった。 『五胡,いや袁紹辺りの差し金と考えるのが妥当よ!』 賈駆の言う事は確かに妥当であり今の時代には利にかなっていた。他のメンバーも賈駆の言葉が一番可能性があると考え賛同の方向に向かいつつあった。 追い込まれた兼胤はこのままなにもジェスチャーをせずスパイと判断されれば命はないであろう…そこで兼胤は一発逆転の賭けにでた。 『この俺がスパイでない確かな証拠を見せてやる!』 そう言うと肩に掛けていた98kライフルを見せ出す。 『その棒が何の証拠になるのよ!』 確かにこの時点では98kライフルは証拠にならない。まして棒なんて言われたら証拠云々相手に去れないのは当たり前だ。 『今の段階ならそう言うのは仕方がないが…次の光景をみたらそうは思わないだろうな…』 兼胤は愛銃の98kライフルを構え室内で一番遠い花瓶に照準を向けた。打つ前に花瓶を狙撃すると簡単に説明をし引金を引いた…。銃声が響き指定した花瓶は粉々に砕けちり空薬莢は呂布の足元まで転がった。 他のメンバーは(呂布を除く)驚きを隠せなかった。当たり前だ,この時代にそぐわない未来の兵器を見て聞いた事のない銃声(音)と一瞬に砕け散った花瓶の有り様を見てしまったから…。スパイ有力説を唱えた賈駆自身は尻餅をついていた。この時,兼胤は勝利を確信した… 『今の音はかなり大きかったし指定された花瓶も一瞬に砕け散った。まるで何かに勢いよく突き刺されたみたいだったな』 華雄が感想を述べると張遼と一緒に花瓶の方で話し,また欠片を見ていた。呂布の方は空薬莢をジーっと見つめ,側の陳宮が何やら言っていた…。 まだ一言も話していない董卓はというと…
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