†影の御遣い†

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『まさか…ちんちくり,いや…この幼子が陳宮とは』 流石に兼胤もこの幼子が陳宮とは思いもせず言葉が見つからなかったが,よくよく考えて見れば張遼,華雄,呂布といった猛者らが女性ならば陳宮が幼子であってもおかしくはなかった。 『おまえ!またちんちくりんって言いかけたですー!』 “ちんちくりん”と言いかけた事に反応し再び制裁を加えようとするも… 『ねね…ダメ』 呂布に制止され兼胤への制裁は未遂に終わった。 『なんつ~地獄耳だ…禁句だな,あの言葉は…。あんな蹴り食らい続けてたら本当に生きてられんぞ!』 小声で言った筈なのに聞き取られる耳の良さを皮肉混じりに言うも蹴りと言う制裁を今後食らい続ければ生命の危機に直面しかけないと感じる兼胤。 『さてと…そうすると。あの正面の椅子に座ってるのが董卓で,横にいるメガネっ子は…え~っと………うん。………賈駆だな!』 陳宮からの危機を感じながらも一通り名前と人物を照らし合わせ,正面の微笑む少女が董卓と認識するも,横にいたメガネっ子に対しては少し長い沈黙の後に賈駆であると認識をした。 しかし… 『ちょっと,あんた!なんでボクだけ沈黙の後に答えたの!絶対忘れてた……!!』 兼胤の沈黙は=ド忘れと指摘しする賈駆であったが… 『ん?どうした…ボクっ子』 言葉の途中であったにも関わらず止めてしまった賈駆に問いかけてみる。 『なんであんたが,見ず知らずの私たちの名前を知ってるのよ!』 確かに見ず知らずの兼胤が自分たちの名前を知っているのか大きな疑問に直面したのと同時に敵国のスパイ疑惑も浮上したのだ。また間違える事なく正確に当ててしまったのも疑われる要因の一つでもあった。 『確かに初めて会ったのに何故か名前を知っている。霞!お前が教えたのか?』 華雄も賈駆と同じく疑問を抱き最初に話した張遼が名前を教えたのではないかと尋ねる。 『いや…あたい以外は教えてないで』 張遼は他の名前を教えた覚えはないと華雄に話す。
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