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‘にゃおん’
耳元で聞こえた鳴き声で、女の子は目を覚ましました。
声がした方に顔を向ければ、いつもと同じ、くるんとした、いたずらっ子な瞳と眼が合います。
「おはよう、キャル」
キャルと呼ばれたその猫は、女の子の呼びかけには応えず、足音を忍ばせて、ベッドからカーペットの上に飛び降りました。
ベッドから起き上がった女の子もそっとそこに足を降ろしました。
まるで、カーペットの感触を確かめるかのように、そっと。
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