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牢屋は全部で5つあり、1つの牢屋に3~4人が詰め込まれていた。
彼女らは牢屋を開けても気付かないほど熟睡しており、誰1人として起きなかった。
忍びないけど起こすことにした俺は、盗賊から剥ぎ取った短剣で牢屋を思いっきり叩いた。
金属と金属がぶつかる鈍い音で流石に起きた女性たちだけど、その瞳は絶望に染まっていた。
「こんにちわ、助けにきたよ」
できるだけ優しい声音で語りかけると、彼女たちお互いに顔を見合わしてからのそりと牢屋を出た。
すべての牢屋から人が出たことを確認すると、俺が先導して彼女たちを洞窟の外へと誘導していく。
ろくなものを食べてないらしく、かなり痩せこけていたから、洞窟の入り口付近で止まることにした。
「止まってくださーい。ここでご飯にしましょう」
四次元空間から盗賊たちの食料を出すと、まるで餌に群がるアリのように食料は一瞬にしてなくなり、彼女たちは涙流しながら食事にありついていた。
俺は四次元空間から木塊を出すと、一度錬金術で薪くらいにまで分解し、念のために持ってきたロウソクで火をつけると、その周りに転がってた石を組んで囲いを造り、その上に鉄板を敷いた。
程よく熱が通ってきたら、盗賊の食材の中になぜかあった固形のラードを数個乗せて木の棒で油を引いていく。
そしてそこに錬金術でスライスした生肉を乗っける。すると、ジュワァ~という音がなり鳴り響き、油の焼けるいい匂いが洞窟内に充満していく。
女性たちは匂いに釣られ、まるでゾンビのような足取りで近付いたきてた。
「こわっ!! これでも食らえ!」
俺は四次元空間から採集した消化のよい果物をまず彼女たちに投げ与え、彼女たちが果物を食べている間に肉を次々と焼いていくと同時に錬金術を使って木材で皿とフォークを作っていく。
出来上がった皿に焼けた肉とフォークを乗せていつの間にか並んでいた彼女たちの渡していく。
そんなことを続けていくと、彼女たちは満足したのか、その場で眠り始めてしまった。
「やれやれ、疲れたよ。こんなに人数が居るとは思わなかった。さて、もうひと頑張りしますかね」
もちろん、彼女たちの治療だ。5人ずつやってって、朝方になって最後の1人が今ようやく終わった。
「…疲れた。俺もご飯食べよ」
四次元空間から果物を取り出して食べていく。3個食べたところで寝た。
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