880人が本棚に入れています
本棚に追加
それを聞いてとても安心した。家族への幸運は結構アバウトだけど、与えられる範囲内で、という女神さまのお言葉で『流石女神さま』と思いました。
「それでは、転生の儀に移ります」
「はい、お願いします」
女神さまは頷くと俺に向かって手を向けた。
「獅子垣 煉蒔、其は彼の者を異世界へと送りたまえ! 出よ『始まりの扉』!」
すると、俺の足元に荘厳な扉が現れ、少しずつ開いていった。
下に向かって。
──結果
「え、ちょ、うそでしょおぉぉぉ───」
「おたっしゃでー♪」
そんな俺の異世界転生の幕が上がった訳さ。
で、今現在………時速200km以上で落下中です。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
口無いですが叫んでます。もうめっちゃ叫んでますよ!
あ、海がキレーだよ? アハハ……
ってムリムリムリ!! 気分変えられないよ!?
「そんなこんなでもうじめーん!!」
ぶつかる! と思った瞬間、急に減速し始めて、自身に来た衝撃は全然軽いものだった。恐る恐る目を開けてみると、そこは新芽が萌える緑の草原だった。
俺は体が触れないかと思って人間のときとおなじように触れようとすると、体の一部がうにょーっと伸びて体を触ることができた。
スライム特有のペタペタというかぷにぷにした感触を味わって俺は飛び上がった。そして女神さまに感謝の言葉を言った。
「お~、転生できたぁ~! 流石は女神さま、ありがとうございます」
そして、決意を新たにこの世界で生きていくことを言葉にして気合いを入れ直した。
「よ~し、これからの異世界生活、楽しんでいくぞぉ~!」
天に拳を掲げ、ぴょんぴょん飛び跳ねながら遠くに見える森へと出発した。
「晴樹(せいじゅ)の森、主にウルフやベアー系のモンスターが生息する森で、薬草もそれなりに豊富か。鑑定眼は意識すれば使えると」
今俺は願い事でもらった力の確認をしながら森を探索中だった。
あの草原から森の手前までで確認した能力はさっきの鑑定眼と、四次元空間、錬金術のみ。
四次元空間もやっぱり鑑定眼と同じで意識して使えるものだった。
錬金術は、四次元空間とは別の空間に合成したい素材を入れてするみたいで、四次元空間の練習に使ってた木の枝を使って積み木を作ってみたら、イメージ力が足りなかったのかグニャグニャな積み木ができあがった。
.
最初のコメントを投稿しよう!