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(グラハトは……何を知ったんだ?何を知っているんだ?)
疑問が頭を過ぎる。
見上げる空に、混じって黒い粉が見えた。
「灰……?」
風に流れて微かに焦げる異臭がする。
慌てて前方を見つめた。
遠目に煙りが見える。
何かが燃えている。
普通に考えれば山火事だが、方向はアジトに一直線だ。
微かに響く爆音がする。
煙がもう一条立ち上がった。
「なんだ……?」
嫌な胸騒ぎがチリチリと胸を焦がす。
「カナン歩けるか?」
そう言うとガルンは素早く、しかし、やんわりとカナンを下ろすと魔剣を受け取った。
「だ…大丈夫。でも何か嫌な感じがする。何か……」
カナンが酷くやつれた感じがしたが、今はそれ処では無い気がした。
「先に行く。まさかとは思うけど戦闘になってたらカナンは隠れてろ!」
そう言うとガルンは駆け出した。
右肩の傷を確かめる。
なんとか動くレベルだ。
カナンには強がって見せたが経った二日で完治するわけもない。
幽体喰いをすれば話しは早いのだが、カナンの前ではそんな事をする気にもならない。
痛みは無視できるが、本来の60%ぐらいしか使えないと判断して舌打ちする。
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