連鎖する悪夢 #3

2/10
245人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「やはり……見切られているか」 ガルンの剣がびくともしないことにクライハルトは些か驚嘆する。 「ならば!」 直ぐに左手をガルン目掛けて伸ばす。 その動きに気付いて、ガルンはチラリと背後の金髪騎士を見つめる。 「天羅・空(うつほ)」 クライハルトの声と同時に、ガルンはアルダークの正面に“投げ出されていた”。 一瞬の浮遊感。 距離は30メートルはあったはずだ。 「……!」 目の前の騎士団長が奇っ怪な大剣を振りかぶる。 陽光を凝縮したような翼の剣。 大剣の刀身は奇妙な翼に成り代わっていた。 頭上からの一撃を魔剣で受け止める。 踏ん張った足が地面に沈む。 まるで数トンの衝撃を受けたような威力にガルンは眼を細めた。 痛めた両肩と左腕には負荷がかかりすぎる。 この重い一撃を後二、三回も受ければ、先にどちらかの腕が、最悪両腕が使い物にならなくなる。 常軌を逸した威力。 チャクラ+神霊力のエンチャント(魔力付与)だけでは説明が付かない。 剣自体が異常な存在に成り代わったようだ。 「たいした剣だ。翼命剣を受け止めるとは。これは天使で構築精製された存在兵装。存在力が無い物質は砕け散る」 存在質量兵器。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!