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第十章 忌み子の姫 序詞 #2
(幻覚!?視覚汚染?)
チャクラを回転させて状態維持に回す。
倦怠感は払拭出来たが、視界は真っ赤なままだ。
「これからって時に、仲間内で喧嘩は認めんぞぉ!」
聞き慣れない声が間近にする。
かなりのプラーナを感じる事から、チャクラ開放者なのは間違いない。
「多節鞭とは、また変わった武器を持ってるな」
「なっ?!」
驚くスキンヘッドの声と共に視界が回復した。
軽い立ちくらみをしている先程の面子以外に、いつの間にか全身真っ赤な男が立っていた。
ロングコートに、髪も眼も赤い。
片手にスキンヘッドの槍――多節鞭が握られていた。先程の間に奪い取ったらしい。
「テッ、テメェ~!確か3番隊百人長のユウスケ・アカイ!」
歯ぎしりするスキンヘッドに赤男は簡単に多節鞭を投げ渡した。
「喧嘩している所を団長に見られたら、報酬を減らされるぞ!何の得も無い。さっさと止めるんだな」
赤頭はニカッと笑うとガルン達を見た。
「お前らも安い挑発にのるなよ!」
全員を指差してから元居た場所に戻っていく。
スキンヘッドは唾を吐き捨てると、多節鞭を鞭状態に戻して肩に巻くと逆方向に歩き去った。
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