第十章 忌み子の姫 序詞 #2

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「なんだ、今の奴は?」 ガルンの呟きにグレイが答える。 「ああ、あいつはパク・ハオロン。10番隊の奴だ。あの変な三節棍を鞭まで細かくしたやつを持ってるのは、そいつしかいないぜ」 「そっちじゃない。さっきの赤野郎の方だ」 グレイはガルンの視線の先を追った。 何故か豪快に笑っている赤男がいる。 「ああ、ユウスケ・アカイか。三番隊の百人長。東国の出で、無手での近接戦闘の達人。寸勁だが鍛針功だかよく分からんが気を使う武術家らしいな。鎧着ていようがいまいが、お構いなく内部破壊のオンパレード。それにプラスしてさっきの『レッドインパルス』とか言う訳の分からん特殊能力つきさ。室内戦とかだったら、まず勝てないだろうな~」 そう言ってグレイは渇いた笑みを浮かべた。 顔付きから判断して俺では勝てないと物語っている。 「まあ、あいつはさっきのツルッパゲと違って強いと思うぜ?」 何故かネーブルが胸を張ると、そのまま話し始めた。 「俺の見立てじゃ黒鍵騎士団の最強候補は音使いのフィン・アビス、うちの隊長、剣 無名(ツルギ・ムミョウ)、赤男、ユウスケ・アカイ、後、あっちの青黒マント、錬金魔術師のクロックワード、それに、この作戦に呼ばれていない“響音の魔道戦士”ブルースフィアって所かな?」
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