第十章 忌み子の姫 序詞 #2

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「俺が抜けてないか?」 と、グレイが自らを指差す。 ネーブルは険のある表情でグレイを足元から頭までなめ回す様に見つめた。 「お前は駄目だな。魔法戦士として実力はあるがなんて言うか……精神的にひ弱だ。頭でっかち過ぎる」 「何だそりゃ?」 「まあ……」 チラリとネーブルはガルンを見つめた。 「お前は仕方ないから候補に入れてやる……」 何故か恥ずかし気に言ったが、言われた当人は明後日を見たまんまだ。 「貴様!人の話を聞いてないな!」 激昂するネーブルを、 「あ?悪い悪い」 で、ガルンは済ませる。 返答がおざなりなのには理由があった。 チャクラ感知を行っていた為だ。 先程のネーブルの最強候補の話から、“後々”を考えて強力な者を先に拝んでおくのは悪くないと判断した為だ。 残りの参加者もぞくぞく来る。好都合と言える。 (……思ったより少ないな) ガルンは素直な感想を漏らした。 結局、集まった人間でチャクラ開放者は無名とアカイだけだったのである。 これなら、ただの肉弾戦ならほぼ全員をブチ倒す事が可能であろう。 後は相手の技能と特殊能力次第である。
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