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ガルンは被弾覚悟で魔剣を振りかぶった。その時、耳をつんざく咆哮が大気を震わせた。
弾丸が瞬時に冷却される。
驚愕して目を剥いたのは
クロックワードだった。
ガルンの目の前を覆うように現れた影は、弾丸を化勁で綺麗に後方に受け流す。
凍結されている為に爆散はしないようだ。
「龍勁機甲・波濤天掌!」
撃ち出された見えざる気功が左右の魔人を吹き飛ばす。
「護る戦いは、とことん不向きな様だな貴君は」
ニヤリと笑う鰐顔にガルンは苦笑する。
目の前に立つ竜人は、ゆっくりと半身になって構えを取る。
「恩は拳で返そう」
白き銀嶺はそう言うと、再び雄叫びを上げる。
ぎょっとして、横にぶざまにクロックワードは飛びのいた。
ロックリボルバースパイダーが、パリパリと音を立てながら凍りついていく。
竜の咆哮による、ドラゴンロアーだ。
鋼の蜘蛛は緩慢な動作で逃げ出そうとしたようだが、その眼前に竜人が踊り出る。
「龍勁機甲・破山崩衝!!」
床を打ち砕く踏み込みと共に、低い姿勢から肩を鋼の蜘蛛の首下にぶつける。
大地を震わす轟音と共に、鋼の蜘蛛はいとも簡単に砕け散った。
まるで硝子細工を砕くようなお手軽さである。
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