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「あんたに会うのに半日近く待たされたんだが……」
ガルンは半眼でアズマリアを睨み付けた。
そんな視線はどこ吹く風で、アズマリアは長椅子に腰掛ける。
「これでも副団長なのでな。多忙で仕方が無い」
「副団長? あんた吸血鬼だろ。結構、長生きなはずだ。団長じゃないのか?」
ガルンは訝し気にアズマリアを眺める。
長生きと言っても、外見は少女なのだから普通は違和感を覚える所だ。
しかし、感性のズレたガルンはものの本質を存在の光で判断する。
ガルンにして見れば、逆に団長では無い方が胡散臭いのだ。
「団長ではいろいろと動きづらい。かと言って、ある程度の箔が無いと他国では動きづらい。副団長と言うのが一番融通が利くのだよ。まあ、実質団長は我だがな」
しれっと言うが、傲岸不遜な態度は既にトップの貫禄がある。
団長では姫強奪事件のような不足な時に、直ぐに前線には出づらい。
かと言って他国に国賓として出掛けるときに、随伴で制限を受けない立場で無くてはならない。
そこで副団長と言う立場が一番都合が良いのだ。
(年の功と言うやつだな)
ガルンは小さく皮肉に笑う。
しかし、アズマリアはそれを見逃さなかった。
「何だ、今の笑いは」
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