第十三章 王宮の騎士

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広大な大聖堂にいるようで、ガルンには居心地が悪い。 長い渡り廊下を歩いている時だった、体を突き刺すような殺気を感じたのは。 ガルンは無意識にダークブレイズに手をかけていた。 (知っているぞ。この殺意!) 振り向く先に、見覚えがある二つの影が歩いている。 太陽と月のような強烈な存在の光。 閉じたばかりの心の蓋から、殺意の炎が漏れ出すような高揚感。 「本当にあの時の、闇の残りカスがまだ生きていたとはな」 冷淡な口調で、天翼騎士団の副団長クライハルトはそう呟いた。 無言で横に立つのは天翼騎士団団長アルダークだ。 ガルンの唇が釣り上がる。 憎むべき怨敵が目の前に現れたのだ。 カナンの治療を理由に、閉じ込めていた怒りが沸々と甦る。 「のこのこと、そっちから死にに来るとはな」 「黙れ塵芥。生かされた命を棄てる気か?」 「うるせぇぞ小烏? 自慢の八枚羽根をむしり取ってやるぜ!」 睨み合う二人に緊張が走る。 クライハルトの手が、腰に下げた天獄剣に掛かる。 そこでアルダークが二人の間に割って入った。 「止めろ二人とも。ここは王宮内だ。場所を弁えよ!」 雄々しい声が通路に響き渡る。 しかし、ガルンとクライハルトは剣を手にしたままだ。
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