第十三章 王宮の騎士

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「クライハルト。彼は既に免罪符で罪を償っている。これ以上はただの私闘だ。それに、ガルン・ヴァーミリオン、貴様も何しに此処へ来た。そこまで分別のつかないガキではあるまい? それに……」 アルダークはチラリと背後を見た。 後方に白い鎧に白いマントが見える。 首には天秤に籠……王宮近衛騎士団の紋章だ。 「王宮内での抜刀は、それだけで十二神教への武力介入と判断される。王宮近衛騎士団が黙ってはいないぞ」 睨み合う二人も、回りに現れた気配に気がついていた。 ここでの戦闘は、王宮近衛騎士団を敵に回す行為に等しい。 二人は舌打ちして武器から手を離す。 「いつか、きっちりケリをつけるぞ」 「飼い殺されていた方がマシだったと、後で後悔させてくれる」 「あの……」 睨み合う二人に、案内人の女性が怖ず怖ずと声をかける。 「行くぞ!」 ガルンは吐き捨てるように呟くと、案内人を置き去りにして歩き出した。 案内人はアルダーク達に一礼すると、その後を急いで追い掛ける。 クライハルトは射るような瞳で、ガルンを見続けた。 「よもや、あのような痴れ者が王宮近衛騎士になど受かりはしないですよね?」 「……それを決めるのは我々では無い」 アルダークは含みのある視線で、ガルンの背中を見送った。
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