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「確かに……全く分からないな」
ガルンは素直に認めた。
この国に入ってから学んだ事は、実はかなり少ない。
殆ど黒鍵騎士団としてしか活動していなかったので、当然言えば当然である。
「武道派にしてみれば、王宮近衛騎士は天翼騎士に並ぶ、この国1番の憧れの職さ。騎士になった奴は皆そこを目指す。どちらもなるには狭き門で、年に一回ある試験に受かった奴だけが入団出来る」
「今日はその年に一度の日だったって事か?」
ガルンはいきなりアズマリアに明日来いと、言われて驚いたのを思い出す。
年に一度しかないタイミングに合ったと言うならば、それはかなりの幸運と言える。
しかし……。
「いんや、違うぜ? 今日は予備日扱いだ。それも昨日いきなり決まった。まあ、副団長の横暴だな」
紫髪はニカッと笑いながら、サラリと告げる。
ガルンは軽く当惑した。
「予備日?」
「試験には各騎士団団長の推薦を貰った、騎士在籍者が多いからな。任務中でタイミングが合わない奴もいる。そんな奴の為の救済処置だ。だけど、いきなり開催される事になったのはそいつらもビックリだろうぜ」
ガルンは半眼でアズマリアの顔を思い出した。
パリキスの為なら道理も強引に引っ込めるタイプである。
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