第十三章 王宮の騎士

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(アカイ・クラスが受からない……。少なくとも黒鍵騎士団よりはレベルがワンランク上だな) ガルンが思案していると扉が開いた。 小綺麗な服装の、禿げ頭の老人が立っている。 「ガルン・ヴァーミリオン殿。貴方が一番手だ。試験会場に御足労願おう」 その言葉でガルンは立ち上がった。 「それじゃ、俺は此処までだな。もうちょい会話を楽しみたかったが、一番手とは思わなかった。会場でまってるぜ?」 手を上げて紫髪はドアを抜けていく。 ガルンはそれを追うように部屋を退室した。 試験会場は屋外訓練場だった。 ぱっと見、巨大なコロッセオにしか見えない。 開けた空間の端々に柱が並んでいる。 ガルンは故郷の闘技場を思い出した。あれと同じならば防衛結界が構築されているのだろう。 中心奥の観覧席の頂上に、人影が四人見えた。 中央の玉座らしき椅子に、豪華絢爛な装飾を施した服装に、きらびやかな王冠をかぶった人物が座している。 白髪と髭からかなりの高齢に見えるが、精悍な顔と肉体は武道派上がりと一目で見て取れた。 神誓王国、国王デフォン・クライズ・メルテシオンの名前をガルンは知らない。だが、その人物が王だとは直ぐに理解出来た。 その横には見知った少女の姿が見える。 (姫さん?!) 驚くガルンを見て、第四王女はニツコリと微笑した。
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