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「ラインフォートが死んだ?」
ガルンがその情報を知ったのは、ラインフォートの死から一日後の事だった。
近隣の大河で起こった、亜種族・リザードマンとの領土争いの平定作戦から帰った直後である。
駐屯所でその一報を聞いた九番隊の全員は、酷く間抜けな顔を並べていた。
基本、嫌な奴ではあるが、そうそう死ぬ玉では無い。
ラインフォートが教団合同会議の帰りに、何者かに惨殺されたと言う報告は軽いジョークに感じる程だ。
「マジで? だってあいつ移動する時はいつも護衛がいるじゃんか? それも必ず隊長格を一人連れてる」
「護衛隊も全員死亡です。新しい団長が選別されるまでは、当分任務は無いとお考えください」
ネーブルの質問に伝令係は義務的に答えると、さっさとその場を去っていってしまった。
「マジかよ」
「確か1番隊も出払っていたよな? それでも最悪クロックワードはいたんじゃないのか?」
「あいつの護衛には、確か専属の凄腕が二人いたはずだぜ?」
ざわめく中、ガルンは呆然と立ち尽くした。
自身が討とうとしていた相手だ。
既に軽い暗殺計画も立てていた。
権謀術数に長けていない
ガルンでは、ラインフォート相手では内容は笊に近い。それでも、倒す手段は揃っていたのだ。
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