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「う~ん。やっぱり病み上がりで精神力を吸われ続けるのは、ちょっときついかな~? 刀自体の使い勝手はいいけどね。とりあえずティリティースの宝物庫から、何か新しい剣を探して見ようかな?」
そう言うとカナンは刀の切っ先をくるくると回した。
水泡が溢れ出し、夕焼けを映して空に舞う。
シャボン玉のように飛ぶ泡から蝶が生まれ、夕暮れに幻想的な光景を浮かび上がらせた。
端から見れば、シャボン玉遊びを興じる少女にしか見えないであろう。
ガルンはそれを見上げてから、
「確かに、こいつ見たいな掘り出し物が、他にももあるかもしれないな」
と呟いた。
宙に舞う水蝶は、太陽の光を受けて細かに色が変わる。
万華鏡が空を漂うような華やかさだ。
ガルンは微かに笑みを浮かべた。
躍起になってラインフォートを倒す必要はなかったのかもしれない。
カナンを巻き込まないで済んだのだから、それはそれで僥倖だったと思うようにした。
「黒鍵騎士団は抜ける事にしたよ。隊でごたごたがあってしばらく休業だしな。カナンの足も、プリーストレベルで直せる程度になったしな。他の仕事でも何とかなるだろう」
ガルンの言葉に、カナンの表情がパッと明るくなる。
「本当! それじゃ、昔見たいに一緒にいられるね」
「まあ、黒鍵騎士団にいた頃よりは……な」
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