第十三章 王宮の騎士 #2

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試験結果をガルンが待つ事は無かった。 何故ならば怪我の治療を受けてから、待合室に戻ったガルンを出迎えたのは何とアズマリアだったのである。 「……!? あんた試験場にいたんじゃないのか?」 信じられない早業に目を皿にするが、影を移動出来るアズマリアならば不可思議な事でも無い。 「実技試験はパスした。これから二次試験を始める」 「二次?」 きょとんとするガルンをアズマリアは不思議そうに眺めた。 「……? 貴様にはきちんと案内人を付けた筈だが?」 「案内人ねぇ……」 ニヒルな騎士を思い出す。 どうやら彼は二次試験の説明をし忘れたらしい。 もしくは受かるとは思っていなかったかの、どちらかか。 「まあ、いい。二次試験は単純だ。貴様の適性検査だ。精神防壁を張っているなら取れ」 「……?」 「我が魔眼“深淵眼”で貴様の中身を見せて貰う」 手近な椅子を出されて、ガルンは仕方なく座った。 胡散臭そうにアズマリアに向き直る。 「深淵眼って?」 「相手の心の底に刷り込まれた恐怖を蘇らせて、精神を錯乱させる瞳術だ。貴様の刀の効力に近い。まあ、それの応用で貴様の心に巣くう、負の記憶と感情を引き出して観測するのが目的だがな」
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