第十三章 王宮の騎士 #2

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しれっと銀髪の少女――アズマリアは答えた。 「決着がまだついていない……」 「決着? これは試験だ。実力を見るには十分過ぎる程だな。それに勝負ならとうについている」 「……?」 アズマリアは怪訝な表情のアルシェリットを見ずに、ガルンの着地を見守る。 いざとなれば影から救いの手を出すつもりだったが、それは杞憂に終わった。 ガルンが綺麗に着地をするのを確認してから、アズマリアは冷ややかに告げる。 「生命創製の魔術は術者への負荷が高い。特に生命共有した魔術は破られれば命が削られる。今の状態で勢いに任せて、二体も新たな龍を創製したら直ぐにガス欠だ。戦闘では負けなくとも、自滅して勝敗はつく」 アズマリアの推論は的を射ていたらしく、アルシェリットは無言で舌打ちした。 それはガルンの勝利を物語っている。 (それに……始めからアルシェリットを殺す気ならば……意外と勝負は早かったかもしれんしな) アズマリアは観客席の中央、主賓席に目を移してから、 「第一試験はこれにて終了。試験結果は後で伝える、受験者は出口にいるハイプリーストに怪我の治療を受けたら、待合室で待機していろ」 と高らかに宣言した。 それを遥か遠くで聞いていたガルンは、肩を竦めるとすごすごと退場する。 これ以上ドラゴンテイマーと戦わないでいいならば、それに越したことは無い。
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