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パリキスは申し訳なさそうに少し俯く。
「わらわは……それを成す為の聖遺物を持っておらぬ。わらわでは不完全なサクラメントしか作れん……」
ガルンは小さく両手で服を握るパリキスを、不憫そうに眺めた。
それから指で頬を掻きながら溜め息をつく。
「一つ質問だが、別にサクラメントとやらは、強かろうが弱かろうがサクラメントなんだろ? 要は王宮近衛騎士団に入団した人間が、しきたり的に王族からサクラメントって物を、貰うってだけの話しに思えるが……違うか?」
「概ねそうじゃが、本来得られるサクラメントは一級品。それだけでも戦局を左右する程のものじゃ。兄様達なら、わらわより遥かに優れたサクラメントを与えてくれる筈。それではそなたに申し訳ない……」
それを聞いて、ガルンは鼻を鳴らした。
「それなら問題ないさ。 俺はダークブレイズがあれば十分。それに蝶白夢もある。これ以上武器を貰ったって、正直扱い切れ無いさ」
わざとらしく両手を肩辺りまで上げて、ジェスチャーする。
脳裏にアルシェリットの鎌が思い浮かんだ。
確かに在れば強力な武器ではあったが、なければならない物でも無い。
現にアルシェリットは、後半は自分の十八番の“創成偽龍”しか使っていなかった。
練度の低い武器より、今まで自分の培って来た武器の方が、使い勝手が良いのは当然の事である。
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