130人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、スピカはそれを遮るように身体を移動しだした。
「……なんのつもりだ」
「……立入禁止」
「姫に話があるだけだが?」
「誰も通すなと……言われて……る」
「……」
ガルンは片眉を微妙にひくつかせてスピカを睨み付けた。
しかし、スピカは特に萎縮した感じもなく、のほほんと構えている。
「話しがあるだけと言っている」
「話しも……だめ」
ガルンのこめかみに青筋が走る。
「力付くで通るぞ、コンニャロー?」
「力……づく?」
スピカの瞳が怪しく光った。
スピカは背に銀色の弓矢を装備している。見たままだと遠距離支援タイプと言ったところだろう。
チャクラ開放者でも無い。
この間合いならば、スピカがガルンに勝てる要素は見当たらない。
本気で力圧しで通り抜けようとして、ガルンはビタリと足を止めた。
「私も……力付くで……防ぐよ?」
「……」
ガルンは首筋に添えられた、刃の切っ先の冷たさに生唾を飲み込んだ。
背後から切っ先が首元に来ている。
(何だこれは……?)
よくよく見ると、スピカの背中から銀色の雫のようなモノが足元を伝って、ガルンの足元に伸びていた。
それが、ガルンの身体を伝って首筋に刃となって
現れたのである。
最初のコメントを投稿しよう!