這い寄る凶鬼 #3

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ガルンは冷ややかに魔剣を振り下ろした。 四腕の化物は、燃えた薄紙の様に灰も残さず消滅した。 存在焼却。 闇主側の最強武装の一つは、遺憾無くその真価を発揮した。 茫然とキリエは魔剣を見つめる。 「……何だその剣? 一撃? 転生する怪物を殺しきった。 サクラメント以上の神器……レジェンドクラスの武器かよ」 「……まあ、確かに伝説級さ」 ガルンは不敵に笑うが、顔面は蒼白である。 「ガルン?! お前、大丈夫か?」 先程死んだ冥魔族と名乗った青年の様に、青ざめた顔色は死にそうな勢いだ。 純黒のダークブレイズを作り上げるために、怪我にチャクラを回さず、全チャクラを最大回転で発露したツケであろう。 (たいしてチャクラを使っていなかったのに、“純黒の焔”一発で半分以上チャクラを消費した気がする) ガルンは小さく苦笑いを浮かべた。 時間をかけられるならば、霊妙法にすれば良かったと後悔する。 滅陽神流剣法ならば、魂の三十や百何処か、一撃で届く魂は全て霧散出来ていた筈だ。 (戦闘状況で使い分けが課題だ……な……) ガルンは自分一人納得して気を失った。 「おいガルン!」 慌てて倒れるガルンを、キリエは左腕で支えようとして激痛に眉を寄せた。
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