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ガルンは冷ややかに魔剣を振り下ろした。
四腕の化物は、燃えた薄紙の様に灰も残さず消滅した。
存在焼却。
闇主側の最強武装の一つは、遺憾無くその真価を発揮した。
茫然とキリエは魔剣を見つめる。
「……何だその剣? 一撃? 転生する怪物を殺しきった。 サクラメント以上の神器……レジェンドクラスの武器かよ」
「……まあ、確かに伝説級さ」
ガルンは不敵に笑うが、顔面は蒼白である。
「ガルン?! お前、大丈夫か?」
先程死んだ冥魔族と名乗った青年の様に、青ざめた顔色は死にそうな勢いだ。
純黒のダークブレイズを作り上げるために、怪我にチャクラを回さず、全チャクラを最大回転で発露したツケであろう。
(たいしてチャクラを使っていなかったのに、“純黒の焔”一発で半分以上チャクラを消費した気がする)
ガルンは小さく苦笑いを浮かべた。
時間をかけられるならば、霊妙法にすれば良かったと後悔する。
滅陽神流剣法ならば、魂の三十や百何処か、一撃で届く魂は全て霧散出来ていた筈だ。
(戦闘状況で使い分けが課題だ……な……)
ガルンは自分一人納得して気を失った。
「おいガルン!」
慌てて倒れるガルンを、キリエは左腕で支えようとして激痛に眉を寄せた。
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