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「……これは何なんだパリキス?」
「……盾じゃ」
「……」
ガルンは浮いている“盾”らしき物をしばらく見てから、眉間を指で挟んで目をつぶる。
長い吐息。
ガルン的にはどのような武器でも、滅陽神流剣法を使えばどうにかなると高を括っていた。
最悪、霊妙法を用いて霊威力で強化すると言う反則技もある。
それならば、サクラメントの性能の良し悪しを隠す事は容易だ。
しかし……盾では、どうしようもない。
防御のみでは、ガルンの技が介在する余地がないのだ。
「これはだな……、彼の古代王国サウザンド・ミレニアムで発掘された盾をアルセリア姉様に譲って貰ったものだ。サテライト・ガーダーと言って、浮遊する盾が保持者をオートで護る力を持つ」
「……」
「気に入らなかったかや……」
捨てられた、仔犬のようなつぶらの瞳と視線が合う。
ガルンは渋い顔で額に指を当てた。
今まで見たサクラメントは鎌に槍など、あくまで武器に準じる。
防具が来るとは予想外も甚だしい。
「なんで盾にしたんだ?」
「わらわは武器のあれこれには疎い。それに、ガルンは剣を二振りも持っておる。これ以上武器は邪魔な気がしたのじゃ。それと……その、そなたはよく怪我をする。だから、わらわはそなたを護る力を授けたかった」![image=347926266.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/347926266.jpg?width=800&format=jpg)
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