第十七章 砕けぬ想いと砕けぬ盾

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「そう……か」 ガルンは視線を外して、ばつが悪そうに頬をかいた。 パリキスの気持ちを無視した、勝手な利己的な考えであった事に気づく。 パリキスは初めからガルンを護るモノを作りたかったのだ。 その点、ガルンはサクラメントの競い合いで、勝つ事しか考えていなかったと言える。 それが二人の温度差を生んだのだろう。 (しかし……マジにどうしたものかな) ガルンは口に手を当てて、盾を凝視した。 盾自体は発掘された物体のためか、それほど真新しくは無い。 形は菱形に近く、装飾されている宝石の様なモノが中央にはまっているだけだ。 「……?」 ガルンは目を細めた。 はまっている宝石のようなモノには見覚えがある。 宝石の中には別の鉱石が封入されていた。 絶句。 ガルンは渋い顔でパリキスを睨み付ける。 いきなりの視線にパリキスは目を丸くした。 「なんじゃ? 今更、他のモノにしろとか言われても無理じゃからな!」 少し後退ったのは、期待に応えられなかったと言う背徳感だろうか。 そんなパリキスを無視して、ガルンは盾の中心を指さした。 「どう言う事だパリキス! これはお袋さんの形見だろ!!」 指差した中心、宝石の中には、赤、青、碧の勾玉が封入されていた。 天三輝(あまのみつき)と呼ばれる東方の宝玉が。
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