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「それで結果は?」
ガルンはアベルに調査するように頼んだ事柄を思い出す。
現存する王宮近衛騎士団の全ての名前、分かる範囲の能力とサクラメントの種類。そして、そのサクラメントを作り上げた王族の分布だ。
これは仲間の力を把握する事と、後にあるだろうセルレインとの競い合いを考慮しての事だった。
ただ、競い合いは後には回らなかったが。
アベルが馬に取り付けた荷袋から、分厚い書類を取り出す。
「……何だ、それは?」
指さされた書類をアベルは、有無も言わさずにガルンに手渡す。
「王宮近衛騎士団のリストに決まっているじゃないですか。俺は何のために奔走したと思っているんです」
アベルの手際のよさにガルンは驚く。
パラパラと書類をめくると、グライドやキリエの情報もしっかり載っている。
(キリエの魔杭……十三本しかなかったのか。もう少しで打ち止めだった訳だ)
必ず当たる伝説級の武具も数が限られていたようだ。
四腕の怪物との戦いが長引いていたら、勝率は格段に落ちていただろう。
「凄いなアベル。よく短期間でこれだけ集められたもんだ」
「これでも情報分析、収集能力には自信がありますよ」
自負するだけあって、確かに良い補佐官にはなりそうである。
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