第十七章 砕けぬ想いと砕けぬ盾

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「それで結果は?」 ガルンはアベルに調査するように頼んだ事柄を思い出す。 現存する王宮近衛騎士団の全ての名前、分かる範囲の能力とサクラメントの種類。そして、そのサクラメントを作り上げた王族の分布だ。 これは仲間の力を把握する事と、後にあるだろうセルレインとの競い合いを考慮しての事だった。 ただ、競い合いは後には回らなかったが。 アベルが馬に取り付けた荷袋から、分厚い書類を取り出す。 「……何だ、それは?」 指さされた書類をアベルは、有無も言わさずにガルンに手渡す。 「王宮近衛騎士団のリストに決まっているじゃないですか。俺は何のために奔走したと思っているんです」 アベルの手際のよさにガルンは驚く。 パラパラと書類をめくると、グライドやキリエの情報もしっかり載っている。 (キリエの魔杭……十三本しかなかったのか。もう少しで打ち止めだった訳だ) 必ず当たる伝説級の武具も数が限られていたようだ。 四腕の怪物との戦いが長引いていたら、勝率は格段に落ちていただろう。 「凄いなアベル。よく短期間でこれだけ集められたもんだ」 「これでも情報分析、収集能力には自信がありますよ」 自負するだけあって、確かに良い補佐官にはなりそうである。
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