第十七章 砕けぬ想いと砕けぬ盾

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「奴らの呪術攻撃を受けたら……簡単には治せないって事かよ」 キリエの顔が引き攣る。 あの戦闘では、いつ攻撃を受けても不思議では無かった。 無傷での勝利が必要となれば、求められるハードルは飛躍的に跳ね上がる。 「問題はその冥魔族の介入……。いや、襲撃だったとした場合だな。両軍は単純に撤退したと考えるべきだろう。流石に全滅はないだろうからな」 グライドは視線をパリキスに向ける。 パリキスはコクリと頷いた。 それを確認すると、グライドは胸前に腕を振り上げる。 「では、我が軍は本国に撤収する。両国には使者を送り。調査隊は後日派遣。第三勢力の介入を想定して、遠距離、周回陣形のサテライト、リングスリーの併用で帰還する。本国に報告用の早馬を出しておけ。以上だ」 グライドの号令で騎士全員が敬礼すると、慌ただしくテントを出ていく。 「待てガルン! そなたには話しがある」 外に出ようとしたガルンをパリキスが呼び止めた。 ガルンは頭を掻きながら、渋々とテント内に戻る。 「どうした姫さん?」 ガルンは素直な疑問を投げ掛けたが、パリキスはそれを無視して無言で歩み寄る。 身体が密着しそうな程近づくと、おもむろにガルンの顔を両手で掴んだ。 そのまま無理矢理顔を自分に向ける。 「……パリキス?」 まるでキスをねだる恋人のような仕草に、ガルンは生唾を飲み込んだ。

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