第十九章 世界の嘆きと悪夢の始まり

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二ヶ月も経つ頃には冥魔族の名は、西方大陸中に知れ渡っていた。 公表はされていないが、事の発端はマドゥールク共和国による超人兵召喚計画の失敗が原因とされている。 戦争による戦力低下を補う為に、禁術指定されている異世界人召喚を行うが失敗。それによって開いた異空間の穴から現れたのが冥魔族と呼ばれる敵性亜種族であった。 冥魔族はその類い稀なる能力と、偏った生態価値観により世界を食い潰す最悪の侵略者となっていく。 発端となったマドゥールクは僅か三ヶ月で壊滅。 被害は隣国、ラ=フランカ聖公国、カシアジイーネ連邦共生国、海星王国ジェネルレイン、そして、神誓王国メルテシオンにまで及んだ。 だが、カシアジイーネ連邦共生国と神誓王国メルテシオンは白き銀嶺の働きもあり、冥魔族に対して対軍準備が直ぐさま進み、国境付近での水際作戦が成功。 国境撃退を可能とした。 しかし、ラ=フランカ聖公国と海星王国ジェネルレインは対応の遅さにより国の半分近くを侵食され、大損害を被る。 ことの重要さに気付いた二国は、寝食された土地の三割の献上を条件に、四国により対冥魔族連盟を樹立。 ここに隣国全てを巻き込んだ、後の世に冥魔大戦と呼ばれる戦争の火ぶたは切って落とされた。
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