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第十九章 世界の嘆きと悪夢の始まり #2
冥魔族との戦いから一年。
ラ=フランカ聖公国と海星王国ジェネルレイン領内の冥魔族殲滅を可能にした。
しかし、それだけで被害は甚大であり、倒した冥魔族の数は数百人に届かない。
損害比率、三百対一。
それが現状の彼我の戦力値であり、同盟国の被害は五万人に達しようとしていた。
「問題はあの召喚された化け物なんだよな!」
食べていた干肉を頬張りながら、ネーブルは悪態をついた。
場所はマドゥールク共和国、国境一キロにあるメルテシオンの第一防衛網、主力本陣である。
作られた大テントには黒鍵騎士団のメンバーが揃っていた。
臨時団長のガルン。その他、十人の隊長格が揃っている。
戦死も合間って、隊長格はがらりと人名を変えていた。
その中でもガルンの推薦もあり、昔の同朋が隊長に昇格している。
今まで通り、一番隊には
音使いの少年フィン・アビス。
三番隊には、全身赤づくめの拳闘士ユウスケ・アカイ。
九番隊には、ガルンの上官だった大剣使い、剣・無名。
十番隊にはスキンヘッドの多節鞭使い、パク・ハオロン。
そして、五番隊にはニヒルな青いバンダナの魔法剣士、グレイ・ファーラント。
六番隊には予知能力を持つ男装の少女、アンフィニ・ネーブル。
八番隊にはシールドソーサーの使い手、ライザックが着任していた。
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